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2006年08月03日

第4弾 日向市視察レポート(その2)

文・写真 阪野武郎(udc)
平成18年7月13日(木) 天候:晴れ

こんにちは。自分は今年度より日向の連立事業のお手伝いをさせて頂いている(財)都市づくりパブリックデザインセンターの阪野と言います。

今回は、三重県桑名市の職員さんとともに、日向市駅連立事業の視察に訪れました。桑名市では、日向と同様に鉄道による東西分断の問題を抱えており、現在は駅周辺地区の東西地域を結ぶ自由通路の整備を予定しております。連立事業と自由通路の違いはあるのですが、この駅開発を契機に、駅前広場を含めた周辺地区の最開発及び市全体へのまちづくり運動の波及を狙っている点など、多くの共通点があることから、先駆して開発が進んでいるこの日向を視察に訪れた次第です。


○まずは、日向市役所を訪問して、県及び市の担当の方から事業の経緯や今後の展望等を聞いてきました。その中で、一番関心があったのが、県や市及び鉄道事業者等の交通機関や市民等の関係者との調整業務についてでした。市職員の方によると「日向市は、昔からまちづくりの面では先行して進めてきた背景があり、事業の計画当初から県と良好な関係が築けていた。交通関係者との協議においても、県が中心となって進めてきてくれたことが大きい。」との事でした。また、「長期にわたるまちづくりに重要なことは、しっかりとしたコンセプト(目標)を持つこと。それがあれば、たとえ異動等で職員が代わっても、まちづくりの理念は引き継がれるので、目標を見失うことはない。」とのアドバイスも頂き、短い時間ではありましたが、大変貴重な話を聞くことが出来ました。

見学会写真1

○その後、駅舎工事の現場へ向かったのですが、まず驚かされたのが、工事の進捗です。自分が以前に来たとき(5月)は、まだ高架橋だけで、駅舎と呼べる部分は何もなかったのですが、今ではすっかり屋根で覆われており、見る人に新日向市駅のイメージをリアルサイズで発信するものとなっていました。到着して、早速現場ヤードを進んでいくのですが、駅舎にかかるエリアについては、高架橋の橋脚のスパン割りが広くとられており、橋脚自体も下部に膨らみをもたせたデザインになっているため、高架下利用空間の開放的で落ち着いた仕上がりが実感できます。

見学会写真2

その高架を潜って階段を上ると、まず目に飛び込んできたのが山の壮大な眺望でした。 その景色に見とれつつ、周りを見渡すと、杉の大屋根の迫力に圧倒されます。やはり実際にホームから見上げてみると、杉の存在感は見事なものがありますね。桑名市の職員は言いました。「これは日本の駅ではないね」と。自分も同感で、日向らしさを演出するために地場の杉材を利用しているのですが、そのデザインとスケールのおかげで、日本らしからぬ駅に仕上がっている印象を感じました。

しばらく見学した後、現場事務所に戻ると、実際に大屋根のジョイントに使用している鋳物を見せてもらいまいた。これは桑名産らしく、その話を聞いて、桑名市の方は喜んでいました。

見学会写真3


○日向市によりますと、最近このような現場視察の依頼が多いそうです。デザインはもちろんですが、この日向の官・民・企業の協働のまちづくりについても、類まれなものであるので、他の皆さんの関心が高いのも当然といえば当然ですね。市の方は大変かも知れませんが、是非多くの人に来てもらい、知ってもらいたいと思います。 最後に、宮崎県及び日向市の方には、貴重な時間を割いて頂き、大変感謝しております。ありがとうございました。

(余談)
日向から帰る際、東口から駅に向かったのですが、東口→歩道橋→西口→改札口→駅構内歩道橋→ホームの経路で電車にたどり着けました。早く便利になるといいですね。それから、町のいたるところで、ひょっとこ祭りのポスターを見かけました。町全体がひとつになって盛り上がれるものがあるのは、とても素晴らしいことと思います。そのエネルギーが、今のまちづくりにも活かされているのかも知れませんね。

2006年08月01日

第4弾「三重県桑名市・名物部長同行記」 

文・写真:おおやま(アトリエ74)
平成18年7月13日(木) 天候:晴れ

「いいなぁ、いいなぁ」

JRで日向市駅に着いたとたん、イシカワ氏はそうつぶやきました。線路に並行して建っているのは鉄道の高架橋。桑名市でも(特にイシカワ氏が)目指していたモノで、諸般の事情から一昨年に断念したモノです。(本音だったのか、周りの笑いをとるポーズだったのかはわかりません。案外、本気でうらやましかったのかも?)

桑名市内はもちろんのこと、国土交通省や都市計画行政に係わる人の中では、桑名市のイシカワ氏(都市整備部長)は、そのちょいワル風の風貌と中心市街地整備に係わる実績で有名です。

その彼が日向市を訪れたのは、現在進められている桑名駅とその周辺の景観デザイン検討が、日向市駅周辺のデザイン検討作業チームとほぼ同じメンバーで進められていて、特に自由通路と駅舎の検討を、日向市と同じ内藤廣建築設計事務所のカワムラ氏が担当されていたからでした。カワムラ氏は桑名駅の顔となる自由通路の昇降口に「大屋根」をかける提案をしていて、そのイメージとして日向市駅の大屋根を見てほしいとおっしゃったのでした。(ちなみに、桑名市からはイシカワ部長だけでなく、彼の信頼する部下である都市再生推進室の室長等の計3名が訪れたのでした)

 

駅から市役所まで歩く道すがら、イシカワ氏が道を指さし(ちょっと笑いながら)、私に言いました。

「やらしいなあ、これはやらしくないか」

どうやら十街区のパティオ脇の街路について、石畳で一面舗装されていることについて言っているようです。つまり、やりすぎではないか、と。

これは、後で駅周辺の整備計画について説明を受けて納得するのですが(十街区のこの部分は駅前広場からパティオの連続する人々が集まる空間として計画されたところ)、現在の状況では、このあたりがまだ日向市の市街地になじんでいない印象があったのかもしれません。私自身も約9年ぶりの再訪で、すっかり変わってしまった駅前街区にとまどいを感じているところでした。今後、駅前広場や周辺の街区の整備が同じカラー(雰囲気という意味で)で進むことで、一体感が出てくることと信じます。

「やらしいなぁ」と石畳を指さすイシカワ氏

「やらしいなぁ」と石畳を指さすイシカワ氏

早く駅舎を見たいという気持ちを抑えつつ、まずは市役所にて、駅周辺の整備計画についてお聞きしました。

まず、市の建設部長に計画の概要について説明していただきました。イシカワ氏も鉄道の事業と土地区画整理事業、パティオ事業等の商業系事業のつながりについて、身を乗り出しながら、熱心に聴かれてました。個々の事業をどのように連携させているのかについて、かなり関心がお有りのようでした。

その後、それぞれの事業の具体的な内容や進め方については、県の担当の方(宮崎県日向土木事務所)、市の担当の方から説明していただきました。(ありがとうございました!)

説明してくださっているクロギ部長と身を乗り出して聴いているイシカワ氏

説明してくださっているクロギ部長と身を乗り出して聴いているイシカワ氏

さて、ようやく駅舎の方の見学です。市で車2台を出して下さり、駅舎まで送って下さいました。(クロギ部長はお忙しいのに「たまたま時間が空いていたから」と、自ら運転して下さいました)

まずは高架橋から見ていきます。イシカワ氏はクロギ部長とともに駅舎の方に向かいながら見ていきます。

ところで、日向市駅周辺の高架橋の形はとても美しいです。特に装飾があるわけでもなく、アーチ型にデザインしているわけでもありませんが、通常よりも広いスパン(柱間の間隔)、梁の形状、駅部の下に広がった柱(これも構造上必要な形とのこと)、全国でいろいろなところの高架橋を見ていますが、ここまできれいな形の高架橋はめったにありません。

クロギ部長とイシカワ氏(中央) 日向市駅の高架橋

クロギ部長とイシカワ氏(中央)

日向市駅の高架橋

話しがそれてしまいましたが、イシカワ氏共々、待望のホーム上に出ました。

「おおお、いいねえ」

そう言ったイシカワ氏、私が天井などに見入っている間に、どこかへ消えてしまいました。5分くらい経って再び姿を表しました。どこに行っていたのかお聞きしたところ、「ホームの端から端まで歩いてきた。屋根の上も見てきた」とのこと。足場の階段を上って、この木造大屋根の上が見えるところまでのぞきに行ったみたいです。まさに大興奮といったところ。設計担当のカワムラ氏や現場で説明してくださった方をつかまえて、アレコレと質問していました。

皆、感動した駅舎大屋根 あの足場の上まで見に行ったイシカワ氏

皆、感動した駅舎大屋根

あの足場の上まで見に行ったイシカワ氏

イシカワ氏の関心は駅舎の建物だけではなく、ホームからの景観にもあったようでした。細島港へ向かう道路がまっすぐ延びているのを見て、「この先には何があるの」と聞きます。港ですと答えると「おおお、まっすぐ軸線ができていていいねえ」とおっしゃいました。

実は、駅から東西の地形について、日向市と桑名市は似た構造となっています。どちらも鉄道が南北に延び、駅から東側には港があり(桑名は海ではなく川ですが)、駅から西側には古墳のある丘陵地があります。駅からの景観も参考となるということです。(市街地の構造だけでなく、桑名市の特産品もハマグリや木材、鋳物等と、日向市と重なる部分が多いです)

駅東側、細島港に延びる道路 駅西側、古墳の緑が見える

駅東側、細島港に延びる道路

駅西側、古墳の緑が見える

最後に、駅舎の模型のところで桑名市とのつながりをもう一つ教えていただきました。駅舎の柱と外壁つなぐジョイントの金物について、その試作品が桑名市内の鋳物工場で作られたとのこと。たまたま、発注した会社の本社が桑名市にあったことからこうなったのですが、なんだか不思議なつながりを見た気持ちです。

駅舎模型の柱と外壁のジョイント部 桑名市内の工場で作られたジョイント試作品

駅舎模型の柱と外壁のジョイント部

桑名市内の工場で作られたジョイント試作品

高架下天井の見本

高架下天井の見本
(高架下の天井部分には、耳川流域の杉材を活用して仕上げられる予定です)

2006年07月20日

日向駅舎見学レポート - ナカイ先生のイカリ

■文・オサキシン

「おい、オサキ、どうしてこうなっちゃうんだ?」

駅舎内部を見学していたときにはニコニコ顔だったナカイ先生は、猛烈にイカっておりました。

見学会写真01

前の晩から朝までのどしゃぶりで、祭の余韻も九割方流された日向十街区。シャツの腕を捲らないと耐えられないくらいの蒸し暑さに、見学会ご一行は眉間に皺寄せキョロキョロうろうろ。パティオに置かれた子供達の飾り付けだけがニッコリと楽しげ。私、恥ずかしながら、日向十街区をしっかり見たのはこれが初めてでして、ひとまず十街区のオレンジ色の旗に軽いジャブを貰い(旗って柔らかい印象で良いですね)、人一倍うろうろキョロキョロしていたところでした。というのも、他業務で商店街の建て替えについて担当していて、どうやったらうまくいくものか非常に悩んでいたのです。しかし、良いデザインはどれもこれも公共物。商店の建物は、、、う~ん、どうしたものかと眉間にもう一本皺を追加しながらナグモデザインのベンチに腰掛けると、隣に座ったナカイ先生から先述の一言。

見学会写真02

見ると眉間に皺が三本。ナカイ先生、心底ご立腹のご様子。曰く、どうしてこんなまち並みになってしまうのか、駅舎は素晴らしい出来なのにもったいない。また曰く、色を統一するとかそんな手法でまち並みをつくることに限界があるのではないか、ひとまずあそこの庇の色形状は正気の沙汰とは思えない、等々。やはり建築も手がけられる専門家だけあって、ご指摘も具体的で問題意識も深くお持ちでした。そこで私ももっと話が聞きたくなり、「先生、素材に問題があるのではないですか?」と種火を投入。いや違うと先生即発火。建築の専門家としてのあり方が問題で、その思想や、形をまとめ上げる力量・センス等がまったくもって足りていないとのこと。たしかに目に見える形を決めるのは建築家。まちの第一印象の善し悪しは、建物のデザインをまとめ上げる建築家の腕によるものが大きいですよね。ふと気づけば先生の炎も巨大化。今までのやり方の限界が見えてきているため、我々建築・都市・土木の専門家には新しいまち並み形成の手法を考えていく責任があるはずだ、とボウボウに燃えたご意見。う~ん、大変な難題ですが、おっしゃる通りです、精進します。最後に、「オサキ、いつまでも新素材なんかのせいにはしていてはろくな事にならないヨ」と飛び火を頂きました。アヂッ。

ナカイ先生の指摘された問題は、日向だけのものではありません。日本全国いたるところで見受けられる問題です。中には、問題が起こって当然と言えるような、そもそものまちづくり意識が低すぎるまちもあります。しかし、日向は全国的に見ても稀な、地元と行政の協働が精力的に行われてきている都市です。そのような地にあっても、「まち並み」というまちの第一印象は、それまでに闘わされてきた議論の量や質と必ずしも比例しないという事実。私も何度か会議に出席したことがあるので、地元の方と行政が熱い議論を闘わせている場面を目撃しています。しかし、なかなか目に見えるまち並みとして具現化してこない。やはり建築家の肩にのった責任は重いと言わざるを得ません。どうすりゃいいのでしょうか?

思うに、日向では専門家同士の協働体制をより強めていく必要があるのではないでしょうか。つまり、建築・都市・土木の専門家と地元の建築家が互いに情報を持ち寄り、まちの全体像を踏まえながら個々の建築デザインを進めていく体制です。まちをトータルな視点で見つめる前者と、トータルな視点と施主の要望をうまく取り入れながら具体的な形に落としていく後者。この二者の連携体制が機能すれば、表面的な統一感に甘んじることなく、より深みのあるまちを形成していくことができるのでは、と思います。

そろそろ夏本番。私にとっても日向にとっても熱い夏になりますように。

第3弾・「篠原教授・新日向市駅舎見学ツアー・レポート」

■文・写真/南 奈緒子&辻 喜彦
平成18年7月3日(土) 曇り

・「月刊ひゅうが」の現場レポート第3弾は、平成11年から日向市駅周辺のまちづくり計画についての議論の場である「日向地区都市デザイン会議」委員長を務められている、篠原 修教授(政策研究大学院大学)の現場視察の様子をレポートします。(仕事の合間にレポートを書いているため、どうしても1週間近く遅れてしまいます。ゴメンナサイ!)

・前日に同じ宮崎県西都市での「歴史を活かしたまちづくりシンポジウム」を開催し、同プロジェクト・メンバーで日向へ向かいました。

・まず最初に工事を担当している(株)九鉄の現場事務所にて、所長より工事進捗状況を伺いました。12月開業へ向けて、工事は順調に進んでいるとのこと。皆さん、早く現場を見たくて、説明も早々に切り上げ、駅舎工事現場へ向かいます。

見学会写真01 見学会写真02 見学会写真03 見学会写真04
高架下空間を通って駅ホームへ

・前回にもレポートしましたが、高架下は、とても広々した良い空間です。駅東西を結ぶ交流の場として、前例の無い21m×3スパンというこの高架下には、シノハラ教授も納得されていた模様でした。

見学会写真05 見学会写真06

「高架下空間」この天井には、耳側流域の杉材で仕上げられます。

・高架下を通っていくと、駅舎事務室(改札口)部分の基礎工事が進んでいます。そしてそこから、駅ホームへ上がる階段(現在はまだコンクリート剥き出しのままですが)から駅ホームを見上げた瞬間、階上に木製大屋根が現れ、トップライトからの明るい陽射しが降り注いできます。

・階段を登り終わり駅ホームへ辿りつくと「凄―い!!」皆さん声を上げます。
これまでに何十回となく、図面やパース、模型を見てきて、自分なりに十二分に理解しているつもりでしたが、こんな空間が創られているとは、創造以上でした。前回までは、ほんの数スパン分の梁が架かっている状態でしたが、ほんの3週間で杉材の大屋根が出来上がっていて、木の香りが漂っています。こんな駅、初めての体験です!

見学会写真07 見学会写真08 見学会写真09
新駅ホームにて

・新駅ホームに立つと、西側には「富高古墳」が駅前通りの正面に鎮座しています。そして、東側を見ると、何と正面に細島港が見えるのです。
計画段階でも、「駅ホームから細島港が見えると良いよね?」「でもこの高さでは、ちょっと無理だよ・・・」(実際、一昨年にクレーンを使って駅ホームの計画高さまで上がった時も、港は見えませんでした)。これも感動!!
曇り日でも見えるのですから、良く晴れた日には、細島港の海面がキラキラ光って見えることでしょう。「山の文化」と「海の文化」の接点となる日向市新駅舎が実現します。全国どこを探しても「古墳」と「港」の見える駅なんてありません。またひとつ日向の宝物を発見した気分です。

・順調に完成にむかっている日向市駅舎に皆さんは今日の曇り空とは違い晴れ晴れとした顔に見えました。

見学会写真12 見学会写真10 見学会写真11

・さて、今回の視察は、シノハラ教授と中井裕・東京大学助教授、そして地元出身の建築家・武田光史氏(日本工業大学教授)の三名がメインゲストです。
タケダさんは、以前から日向市駅周辺に新たに創られる街並みデザインについてアドバイスを戴いており、その優しいけれど熱~い人柄は、今や、日向プロジェクトに欠かせぬメンバーとなっています。またナカイ助教授は、初日向で体験した新駅舎には、いたくご満悦の様子でした(その後については、オサキくんのレポートをご覧ください)。

・そして肝心のシノハラ先生はというと、日向市のクロギ部長と2人して駅ホームに立ち、こんな会話がありました。

「いろいろとあったけれど、ようやくここまで来たなぁ~」
「ナイトウさんに設計を頼んで本当によかった!」
「日向市民は、この宝物を大事にしていかなきゃならんです」

側に居ても、ジ~ンとくる会話でした。

・完成に向かっている日向市駅舎、しかし、シノハラ教授は最後の細かいディテールのデザインを丁寧に確認し、駅舎設計担当の内藤事務所川村副所長と最終調整をしながら駅舎ホームをあとに。最後の最後まで妥協せずよいものをつくり、日向市皆さんに使って頂きたいと思う先生や担当者の意気込みがひしひしと伝わってきて、ますます日向市駅舎の完成が楽しみになりました。

見学会写真13 見学会写真14 見学会写真15 見学会写真16

・その後、これから工事がはじまる西口・東口駅前広場へ。ここでもシノハラ教授は日向市駅舎と駅前広場の関係をひとつひとつ確認しており、これかららまだまだ続く日向駅周辺のまちづくりを頭に描いておられるようでした。シンボルとなる駅舎、駅前広場、高架下空間に賑わう様子が早く見たくなる気持ちでいっぱいです。

・日向市のまちづくりがはじまって、かれこれ10年、完成を、、、という気持ちが高まっていますが「まだまだゆっくり進めれば良い。急ぐとろくなものにならないよ」というシノハラ先生の言葉に、長くそして深く育んでいくまちづくりの大切さを感じました。

見学会写真17 見学会写真18 見学会写真19 見学会写真20
そして街なかへ

その後、駅舎視察を終えて、街なかへ出かけました。日向の街がどのように再生されようとしているのかは、このサイト上で、別途にきちんとご説明するコーナーを作りたいと思います。 とりあえず、まだご存じない方々のために駆け足でポイントをご紹介します。日向市駅周辺地区では、中心市街地再生のために、土地区画整理事業による街区再編と、地元TMOによる高度化事業が展開されており、街区ごとにテーマを取り決めて整備が進められています。

<駅前8街区・リーフギャラリー>
通りに面する外壁を1m後退(セットバック)させています(地区共通ルール)
<ひゅうが十街区>
平成14年度に最初に完成した商業街区です。公道を挟んでパティオ(中庭)が設けられ、イベント時の会場となっています。木(杉)の街路灯やボラード(車止め)が設置されています。
<13街区・モビール13>
「木のぬくもりと学生あふれるまち」をテーマにしています。
見学会写真21 見学会写真22

次回は、三重県桑名市の方々が日向を訪問する予定となっており、その模様をレポートいたします。他都市の人々が、日向の街にどのような反応を示すのか楽しみです!! 乞うご期待を。

2006年06月26日

第2弾・富高小学校課外授業 駅舎見学会

平成18年6月19日(月)晴天

「月刊ひゅうが」現場レポート第2弾は、日向市ふれあい富高小学校6年生による課外授業・新日向市駅舎大屋根見学会の様子です。
レポーターは、宮崎県土木部都市計画課・大崎雅彦さんです。

それでは、レポート第2弾ということで、今回は、未来の日向市を担う子供たちへの企画「富高小学校まちづくり課外授業大屋根見学会」の報告です。

見学会写真01

この課外授業は、子供たちに新しい日向市駅が出来上がっていく実際の現場をリアルタイムで見て、愛着を深めてもらい、自分たちの暮らしていく日向市のまちづくりに興味を持ち参加してもらいたいという願いを込めて開催しました。

実は、日向では、富高小学校で過去2回まちづくり課外授業を開催しています。

第1回目は、平成14年10月、篠原修・内藤廣両教授(東京大学大学院)を講師に迎え、日向のまちづくりについて考えました。

第2回目は、平成16年10月からデザイナーの南雲勝志さん・若杉浩一さん・千代田健一さんを講師に迎えて開催された長編ものの「移動式夢空間」でした。なんと、この課外授業で製作された「移動式夢空間」は、グッドデザイン賞まで授賞しているんですよね。

前回までに比べると、ミニ課外授業ですけれども今回が第3回目になります。

今回は、6年生3クラス104名を対象に駅東口から実際の現場や模型を見ながらの説明と質問タイムという構成で行いました。

14:45くらいに現場に徒歩で来た子供たち、最初は暑さ(29℃)にうなだれていましたが、講師陣の説明を聞いているうちに興味津々になっていくのが見て取れました。

まず、最初に講師陣を紹介します。
日向市の照明・ファニュチャー関係のデザインを担当し、前回「移動式夢空間」の講師もしていただいたデザイナーの南雲勝志さん、日向市駅周辺の設計デザインを担当されている都市設計家の小野寺康さん、駅舎関係の施工を担当しています㈱九鉄工業の山口さんです。

大人になっても忘れないで覚えていて欲しい・・・・・

冒頭の南雲さん・小野寺さんの話の中で、 「移動式夢空間って知ってる?
今日は、みんなの夢空間となる『日向市駅』の話です。
大人になっても忘れないで覚えていて欲しい。」
「駅の周りには、これから公園などができてきます。
みんながお父さん、お母さんになったときに、
今日の話を聞いたことは自慢できると思います。楽しんでいきましょう。」
という話がありました。

見学会写真02 見学会写真03

スタッフみんなの想いをそのままに伝えてくれました。

さすがのお二人です。鉄道高架を日向で行うことは、この先無いと考えていいでしょう。また、日向市駅が建て替わるということも、今回見学に訪れた子供たちが生きている間には天災でもない限り考えられません。駅やまちが生まれ変わるということは、とても大きなプロジェクトであり、まちづくりを進めるなかで非常に大きな事件です。

子供たちには、今このまちで起こっていることが日常の出来事のように感じているのかもしれませんが、やがて意味を理解し、想い出す日が来ると思います。

今、出来上がろうとしているものは、まさに市民の夢空間なのです。

この夢空間が旅立つ人を見送り、そして、帰ってくる人を出迎え、彼らの人生の中で出会いや別れというドラマの舞台にもなるでしょう。

そう考えるとワクワクしてしまうのは、私だけではないと思います。このプロジェクトに関わってきた人達が全力投球している理由の一つにあげられると思います。

お二人の語った「大人になっても覚えていて欲しい。」ということは、この駅に愛着を持ち、使っていって欲しい、まちづくりを真剣に考えている人たちの意思を受け継いで、次世代、また次の世代へと継承して欲しいという私たちの願いとも言える一言でした。

見学会写真04
駅のホームは、美術館?

説明の方は、㈱九鉄工業の山口さんからの工事現場の説明からはじまりました。駅部の工事だけでも、現在までに延べ9500人位の人間が仕事をしてきたことや1/3スケールの模型で大屋根の構造を説明した後に、実際、防風スクリーンをクレーンで設置する様子を見てもらいました。高さ60mの150tクレーンでの作業風景に子供たちは総立ちです。防風スクリーンの窓枠を額縁に例えて、「完成して実際ホームにあがると、日向市の景色が額縁から見えますよ。出来上がったら絶対のぞいて見てくださいね。」と語る山口さんの感性には頭が下がります。

この駅は、「森林文化」と「黒潮文化」の交流地点。ホーム上からは東に細島港、西に日本最大の円墳富高古墳へのビスタが素晴らしいんですよ。

皆さんも、是非、額に入った日向市の景色を見に来てください。

きっと、来て良かったと思えますから。

日向市駅のホームは、すばらしい景色の飾ってある美術館でもあります。

見学会写真05
駅前広場が中心市街に活力をくれる

次に、小野寺さんから駅周辺の完成予想模型を使って、将来のまちがどう変わるのかの説明です。模型を使っての説明ですので、子供たちには、非常にわかりやすかったみたいです。西口に駅広と一体となって整備される交流広場の説明には、子供たちも釘付けです。

「駅のすぐ横に公園があるのは、全国でもめずらしいんだよ。出来上がったらみんなで好きなように使ってたくさん遊んでください。」と説明。

子供たちも今から楽しみになったみたいです。

交流広場は、平成19年度末くらいの完成を予定していますので、みんなが中学2年生にあがり、今よりお兄さん、お姉さんになった頃位かな?

イベントを駅前で行えるようにして活性化を図れるよう、駅の高架下と公園が一体的な空間として使用できることも日向のまちづくりの特徴です。

見学会写真06 見学会写真07
日向のイメージカラーは馬ヶ背ブルー

南雲さんからは、まちに設置されるサインの説明。日向市で設置されるサインは、ブルーを基調としていますが、「空の青は、全国同じですけど、日向市の観光名所である馬ヶ背の海の色をイメージした深い青を採用したんだよ。」というデザインへのこだわりを説明。このサイン写真ように実際のサンプルを3パターン製作して駅広委員会で吟味しています。使う青にもホントこだわってもらいました。(ちなみに一番左を採用)子供たちもまじまじと馬ヶ背の海の色を見たことは無かったみたいですけれども・・・・・。

侍ブルーは残念でしたが、今度は、馬ヶ背ブルーが日向のイメージカラーとして活躍します。

見学会写真08 見学会写真09
怒涛の質問ラッシュ

3人の専門家からの説明は、非常にわかりやすく子供たちの目線で話をしてもらえました。駅のホームに実際に上がってもらうと良かったのですが、現場は12月の開業に向けて工事もあわただしく危険なため、こればっかりはできませんでした。完成までのお楽しみということで、カンベンしてもらいました。

10分間の休憩(給水タイム)後、質問タイムです。富高小学校の先生が「質問のある人!」というと、いっせいに「ハイ、ハイ!」と手が挙がり怒涛の質問攻めです。質問には、講師陣、行政、先生、総出演で回答しました。「駅は、いつできるの?」「コンクリートは、何トン使っているの?」「駅はどれくらい広いの?」等の質問、「電車は、どうやって橋の上にあがるの?」「電車に乗るお金は値上がりするの?」というような子供らしい質問(ちなみに「電車の料金はかわりません。」との答えに、富小の先生から「中学校になったら大人料金になるから倍になる。」と指摘されました。)がきました。終盤には、「駅を高架して何が良くなりますか?」「この駅ができたらどんな使い方をして欲しいですか?」というこちらが一番伝えたい質問も飛び出しました。こういった質問が出ると今回の課外授業をやって良かったなと充実感も味わわせてもらいました。

見学会写真10 見学会写真11

最後は、この日のために準備したオリジナル缶バッチを子供たち全員にプレゼントしました。「日向でのまちづくりイベント=レアもの缶バッチ」の方程式が最近成り立ちつつあります。

レアもの缶バッチ

明るく元気のいい子供たちのおかげでほのぼのとしたまちづくり課外授業になりました。富高小学校の子供たちの純粋な目をみていると、日向の将来が楽しみになりました。この日のことが、子供たちの記憶の片隅に残って、将来まちづくりを真剣に考え参加してもらえることを願います。

最後に、
「本日の課外授業に参加しましたみんなの日向まちづくりに対する気持ちとかけて、当日の晴れ渡る日向の空と解く。」・・・・・・・・・・その心は、「一点のくもりもなし。」ということで、お粗末な締めくくりとなりましたが、報告させていただきます。

以上、県都市計画課の大崎でした。


・大崎さんからの心温まるレポートでした。ありがとうございました。
「月刊ひゅうが」では、管理人だけでなく、地元の皆さんにリアルタイムで現地レポートをお願いしようと考えています。宜しくお願いします!

・ 皆さんの感想をBBSへ是非、お寄せください。特に、ナグモさん、オノデラさん、当日の感想をお聞かせください!!

・ 次回は、いよいよ本プロジェクトのリーダーである篠原 修・政策研究大学院大学教授による現地視察の模様をレポートしたいと思います。お楽しみに!!

2006年06月20日

第1弾 「新日向市駅舎見学ツアー・レポート」

平成18年6月3日(土)晴れ

・ 「月刊ひゅうが」の現場レポート第一弾は、今年12月に開業予定となっているJR日豊本線日向市駅で現在進められている新駅舎建設工事の様子を広く市民・県民の皆さんに知ってもらおうと企画された「新日向市駅舎見学ツアー」の報告です。
(この見学会レポートは、「南のスギダラ」でも報告されていますので、併せて是非お読みください。)

・ 見学ツアーは、晴天にも恵まれ、82名の参加者のもと開催されました。市が募集した見学ツアーには、お年寄りから子供さんまでの幅広い方々が参加され、参加者には、「駅舎パンフレット-日向市駅のデザイン-」と「見学ツアー・缶バッジ(内藤廣建築設計事務所・川村宣元副所長さんデザイン)」が記念品として配布されました。実はこの2つの記念品は、本見学ツアーのために急遽製作が決まり、突貫工事で仕上げられたレア・アイテムなのです。
見学ツアーは2班に分かれ、約2時間の行程となりました。

見学会写真01 見学会写真02
1) 日向市役所前集合→集成材製作加工工場へ(9:30~10:00)

・土曜朝、日向市市役所前に集合、班毎にバス2台へ便乗し、駅舎大屋根の部材を製作・加工している東郷町の宮崎ウッドテクノ(株)工場へ向かいました。工場までの移動時間に、大屋根部材の製作工程を説明するVTRが流されました。VTRは専門用語が多く、一般の方々にはちょっと分かりにくかったようです。でも皆さん、これから訪れる工場の様子に興味津々の様子です。

見学会写真03 見学会写真04
2) 集成材製作加工工場見学(10:00~10:30)

工場内は、大きな作業場が4棟に分かれており、工場長さんから駅舎の大屋根に使用する梁材の制作・加工の過程を実際に見ながら説明を受けました。部材が駅舎のどこに用いられるのか、大きな部材は一見しただけでは、すぐに理解できません。しかし実際に杉材の香りや手ざわりを体感し、木の温もりにふれました。実は、駅舎大屋根に使用される梁材は,世界初の「変断面湾曲集成材」という新しい技術が採用されています。これは、日向市新駅の設計にあたって、地場産材(杉材)を活用するというテーマのもとに、宮崎県が中心となって木材利用の新しい可能性を研究した結果、生み出された新しい技術です。

見学会写真05 見学会写真06 見学会写真07 見学会写真08
3)  集成材製作加工→日向市駅(10:30~11:00)

・ 工場見学を終えて、再びバスへ乗り込み、いよいよ日向市駅の建設現場へ向かいます。帰りの道中にはMRTで放送された「みやざ木の暮らし」スペシャル版のVTRが流れました。このVTRは、デザイナー・南雲勝志さんが中心となった「日本全国スギダラケ倶楽部」の宮崎での活動や日向市富高小学校の児童と行ったまちづくり課外授業の様子がまとめられたものです。今度は、参加者の皆さんも実際に大屋根の部材を実感した後で、身近な話題となり、駅舎への期待も高まってきました。

4) 日向市駅建設現場(11:00~11:30)

・ バスは日向市駅東口に到着し、現場に設置された1/5模型の前で、駅舎設計を担当した内藤廣建築設計事務所・川村宣元副所長さんから駅舎デザインの概要が説明されました。1/5模型とはいえ、現場での部材取り付けをチェックするために製作されたモノで、ちょっとした休憩場所ほどの大きさがあります。
この見学ツアーのために、工事工程を調整し、見学時に丁度、大屋根部材の取り付けが見られるようにして戴きました。先程、工場で手に触れた部材が国内でも数台という巨大なクレーンに吊り上げられ、新駅舎に取り付けられていく様子は圧巻です。参加者の皆さんにも印象深いシーンとなったようです。 続いて、川村さんより駅舎デザインの説明を受けました。スギ材の特性を活かして駅舎構造を検討した結果、このような形態になったこと、駅舎だけでなく、駅前周辺の模型によって、近い将来の日向の街の姿が示され、「山の文化」と「海の文化」の交流点として新駅が位置づけられたこと、駅舎と駅前広場・広場公園などが一体的にデザインされていることなどが説明され、参加者の方々も実際に自分たちの街の姿が見えてきて、少し興奮気味?で、次々と質問が上がります。「駅へはどうやって行けるの?」「WCはどこ?」「車で駅に来るにはどうしたら良いの?」「夜はどんな姿に見えるの?」とても身近な出来事として新日向市駅が感じられてきた様子でした。

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5) 「日向に暮らす皆さんが羨ましいです」

説明会の最後に川村さんが参加者の皆さんに語った言葉です。
「自分で設計していて変な言い方ですが、こんなすばらしい駅に毎日ふれられる日向の皆さんが羨ましいです。この駅を50年、100年たっても愛着を持って大切にして戴きたいと思います」。 見学ツアーは、こうして事故もなく無事終了しました。
1班だけ全員で記念写真をとりました(2班の皆さんごめんなさい!!)
見学会終了後、特別に関係者だけで新駅ホームに上がらせてもらいました。地上から見る姿とはまた異なり、また一部とはいえ、大屋根梁材の連続する新駅はすごい迫力です。6月中にはほぼ大屋根梁材がかかる予定とのことで、この後駅舎側面のガラス取り付け等のために外観には足場が架けられるそうです。
駅舎高架下も日向市駅の場合は、21mの3スパン空間が創られています。これも日本では初めての空間で、JR九州の協力のもとに実現したものです。この高架下空間も内部からみると非常に心地良い空間になりそうです。実は、この高架下の天井部分も地場のスギ材で仕上げられることになっています。しかもそのスギ材は、市民の皆さんから寄付を募り取り付けられる予定で、今秋頃には天井取り付けイベントも予定されています。そして駅舎開業後は、この高架下が駅東西を結びつけ、市民や来訪者の皆さんの交流空間として活用される予定です。

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日向市駅周辺の整備がここまで辿り着くのにほぼ10年の歳月がかかりました。計画初期からの担当である日向市の黒木正一部長さんと現在は宮崎土木事務所の井上課長さんが2人でしみじみと「ここまで来たなぁ!」と語っている様子を側で聞いていて、関係者の一人としても感慨深い一日でした。
 「月刊ひゅうが」では、今回のように新日向市駅開業までの様々な出来事をレポートし、皆さんにお伝えしていきたいと思います。
(次回は、「富高小学校駅舎見学会レポート」の予定です。課外授業で子供たちの感性のすばらしさを教えてくれた富高小の皆さんが新日向市駅にどんな表情を見せてくれるのか、乞うご期待です!!)

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