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日向駅舎見学レポート - ナカイ先生のイカリ

■文・オサキシン

「おい、オサキ、どうしてこうなっちゃうんだ?」

駅舎内部を見学していたときにはニコニコ顔だったナカイ先生は、猛烈にイカっておりました。

見学会写真01

前の晩から朝までのどしゃぶりで、祭の余韻も九割方流された日向十街区。シャツの腕を捲らないと耐えられないくらいの蒸し暑さに、見学会ご一行は眉間に皺寄せキョロキョロうろうろ。パティオに置かれた子供達の飾り付けだけがニッコリと楽しげ。私、恥ずかしながら、日向十街区をしっかり見たのはこれが初めてでして、ひとまず十街区のオレンジ色の旗に軽いジャブを貰い(旗って柔らかい印象で良いですね)、人一倍うろうろキョロキョロしていたところでした。というのも、他業務で商店街の建て替えについて担当していて、どうやったらうまくいくものか非常に悩んでいたのです。しかし、良いデザインはどれもこれも公共物。商店の建物は、、、う~ん、どうしたものかと眉間にもう一本皺を追加しながらナグモデザインのベンチに腰掛けると、隣に座ったナカイ先生から先述の一言。

見学会写真02

見ると眉間に皺が三本。ナカイ先生、心底ご立腹のご様子。曰く、どうしてこんなまち並みになってしまうのか、駅舎は素晴らしい出来なのにもったいない。また曰く、色を統一するとかそんな手法でまち並みをつくることに限界があるのではないか、ひとまずあそこの庇の色形状は正気の沙汰とは思えない、等々。やはり建築も手がけられる専門家だけあって、ご指摘も具体的で問題意識も深くお持ちでした。そこで私ももっと話が聞きたくなり、「先生、素材に問題があるのではないですか?」と種火を投入。いや違うと先生即発火。建築の専門家としてのあり方が問題で、その思想や、形をまとめ上げる力量・センス等がまったくもって足りていないとのこと。たしかに目に見える形を決めるのは建築家。まちの第一印象の善し悪しは、建物のデザインをまとめ上げる建築家の腕によるものが大きいですよね。ふと気づけば先生の炎も巨大化。今までのやり方の限界が見えてきているため、我々建築・都市・土木の専門家には新しいまち並み形成の手法を考えていく責任があるはずだ、とボウボウに燃えたご意見。う~ん、大変な難題ですが、おっしゃる通りです、精進します。最後に、「オサキ、いつまでも新素材なんかのせいにはしていてはろくな事にならないヨ」と飛び火を頂きました。アヂッ。

ナカイ先生の指摘された問題は、日向だけのものではありません。日本全国いたるところで見受けられる問題です。中には、問題が起こって当然と言えるような、そもそものまちづくり意識が低すぎるまちもあります。しかし、日向は全国的に見ても稀な、地元と行政の協働が精力的に行われてきている都市です。そのような地にあっても、「まち並み」というまちの第一印象は、それまでに闘わされてきた議論の量や質と必ずしも比例しないという事実。私も何度か会議に出席したことがあるので、地元の方と行政が熱い議論を闘わせている場面を目撃しています。しかし、なかなか目に見えるまち並みとして具現化してこない。やはり建築家の肩にのった責任は重いと言わざるを得ません。どうすりゃいいのでしょうか?

思うに、日向では専門家同士の協働体制をより強めていく必要があるのではないでしょうか。つまり、建築・都市・土木の専門家と地元の建築家が互いに情報を持ち寄り、まちの全体像を踏まえながら個々の建築デザインを進めていく体制です。まちをトータルな視点で見つめる前者と、トータルな視点と施主の要望をうまく取り入れながら具体的な形に落としていく後者。この二者の連携体制が機能すれば、表面的な統一感に甘んじることなく、より深みのあるまちを形成していくことができるのでは、と思います。

そろそろ夏本番。私にとっても日向にとっても熱い夏になりますように。

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